実家の解体・売却前に思い出を残す|ハウストーリー(HOWSTORY)

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家の思い出を残す方法まとめ|写真・動画・VRをまるごと比較|じっくり考える 実家じまいの教科書

じっくり考える 実家じまいの教科書

家の思い出を残す方法まとめ|
写真・動画・VRをまるごと比較

家を残す方法は、いまや写真や動画だけではありません。VR(バーチャルリアリティ)で360度まるごと記録するという選択肢もあり、解体や売却の前に依頼する家族が増えています。けれども、「どれを選べばいいかわからない」という声も多い。この記事では、写真・動画・VR――それぞれの「残し方」が何を残せて何を残せないのかを、家族の体験談や現場の事例も交えながら整理します。読み終えるころには、自分の家にいちばん合う残し方が、自然と見えてきます。
CASE STUDY
「もう帰れないはずの家に、
帰れた」実例をご紹介

ご家族がどのように思い出を残したのか、
実際の事例をご覧いただけます。

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事例 内観写真1
事例 内観写真2
事例 外観写真
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家の思い出を残す3つの方法――それぞれが「残せるもの」が違う

家の思い出を残す方法は、大きく分けて3つあります。写真、動画、そしてVR空間記録(3Dスキャン)。それぞれが得意な領域と苦手な領域があり、「どれが正解」ということはありません。それぞれが「残せるもの」が違うのです。

写真は瞬間を残す

写真は、家族の表情、特定のシーン、季節の風景といった「瞬間」を切り取って残すのが得意です。手軽に撮れて、誰にでも扱えます。実家の思い出として最も多く撮られている形式で、アルバムや家族LINEで共有しやすいのも強みです。

動画は流れを残す

動画は、家族の声、笑い声、移動する視線、時間の流れといった「動き」を残します。写真では伝わらない空気感が、動画にはあります。スマホで簡単に撮れる時代になり、敷居も下がりました。家族で過ごした時間そのものを記録するのに向いています。

VR(空間記録)は空間そのものを残す

VR空間記録は、家を360度3Dスキャンで丸ごと残す方法です。間取り、光の入り方、家具の配置、廊下の幅、台所の窓からの景色まで、家そのものをデジタル空間として残せます。後から「自分の見たい場所を能動的に見る」ことができるのが、写真や動画とは決定的に違うところです。

比較表:3つの方法が得意な領域・苦手な領域

3つの方法を、いくつかの軸で比較すると違いが明確になります。

領域別の比較

家族の表情・笑顔:写真◎、動画◎、VR△
家族の声・会話:写真×、動画◎、VR×〜△
家の間取り・空間構造:写真△、動画△、VR◎
光の入り方・季節感:写真○、動画◎、VR◎
日常の雰囲気・暮らしの痕跡:写真△、動画○、VR◎
後から「歩き回って見る」体験:写真×、動画×、VR◎
記録のしやすさ・コスト:写真◎(無料)、動画◎(無料)、VR△(プロ依頼が現実的)

「残せるもの」のタイプが違う

3つの方法は、補完関係にあります。写真は瞬間、動画は流れ、VRは空間。同じ家を残すという行為でも、何を残しているかが本質的に違います。だから「写真があるからVRはいらない」「動画を撮ったから写真はいらない」というのは、種類の違うものを比べているのと同じです。

写真の強みと、写真だけでは残らないもの

写真は、家を残す手段として最も普及しています。けれど写真だけでは残らないものも、確かにあります。

写真の強み:瞬間の切り取りと感情の凝縮

家族で集まった日の笑顔、季節の風景、子どもの成長といった「特定の瞬間」を写真は美しく切り取ります。1枚の写真が記憶を一気に呼び戻す力は、他の方法にはない特長です。手軽さも強みで、スマホがあれば誰でもすぐに撮れます。

写真の弱み:空間性と時間性が削ぎ落とされる

写真は、撮影者がフレームを決めた瞬間の四角い切り取りです。家全体の構造、部屋同士のつながり、光の入り方の連続性、廊下を歩いたときの感覚――こういった空間的・時間的な要素は、写真では残りません。後から「あの部屋はどんな広さだったっけ」「廊下の窓からの景色は」と思っても、写真からは復元できないことが多いのです。

写真が向いている場面

家族の表情を残したい、特定のイベントを残したい、手軽に始めたい、共有しやすい形式がほしい、という場面では写真が最適です。アルバムにすれば、家族で繰り返し見返す形になります。

動画の強みと、動画だけでは残らないもの

動画は写真にはない「動き」と「音」を残せる強力な手段ですが、動画だけでは残らないものもあります。

動画の強み:声・動き・時間の流れ

動画は、家族の声、笑い声、台所で何かを作る音、子どもが走る足音、季節の風の音まで残せます。これらは記憶を呼び戻す力が強く、後から見返したときに「あの時間に戻った」感覚が一番濃く出るのが動画です。

動画の弱み:撮影者の視点に縛られる

動画は撮影者がカメラを向けた方向しか映りません。後から「あの時、隣の部屋はどうなっていたのか」と思っても、撮影者がそちらを向いていなければ何も残っていません。視点が固定されている、というのが動画の構造的な弱みです。

動画が向いている場面

家族の会話を残したい、誰かの動きや表情を時系列で残したい、家全体を一周するような撮り方をしたい、というケースでは動画が向いています。最近のスマホは画質も良く、編集も簡単なので、敷居の低さが大きな利点です。

VR(空間記録)の強みと、向いていない場面

VR空間記録は、家を360度3Dスキャンして丸ごと残す方法です。家の中をデジタル空間として保存し、後から自由に「歩き回って見る」体験ができます。

VRの強み:空間そのものが残る

VRの最大の強みは、撮影者の視点に依存しないことです。家の中の任意の場所を、後から見たい人が自分の意思で選んで見ることができます。「子どもの頃に過ごした自分の部屋を、隅から隅まで見たい」「玄関を入って居間に行く動線をもう一度たどりたい」といった体験が、家がなくなった後でも可能になります。

もう一つの強みは、家全体が記録できることです。間取り、光の入り方、家具の配置、玄関の段差、台所の引き出しの中、棚に置かれている小物の様子まで、撮影時点の家がそのまま残ります。後から「あれを撮っておけばよかった」が起きません。

VRの弱み:コストと撮影時間

VR空間記録は、写真や動画と比べると撮影に時間がかかり、コストもかかります。プロに依頼する場合は数万円〜のコストが一般的です。家のサイズや状況にもよりますが、撮影自体に半日程度を見ておく必要があります。手軽にスマホで撮れる方法と比べると、敷居は高いです。

VRが向いている場面

家を「丸ごと」残したい、家の構造や空間そのものを保存したい、家族が後から自由に見て回れる形にしたい、というケースで真価を発揮します。特に、解体や売却が決まっていて二度と入れなくなる家、思い出が深く詰まっている家、家族にとって象徴的な家、では選ぶ価値があります。VRで「飾らない日常」を残す意味については VR空間記録の「飾らない日常」が思い出になる理由(教科書)も参照してください。

失われるはずだった家が、
もう一度「帰れる場所」になる。
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VOICE
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家族の声 写真1
家族の声 写真2
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3つを組み合わせる――「家を残す」のベストプラクティス

1つだけ選ぶより、3つを組み合わせるのが最も後悔の少ない方法です。それぞれの強みを活かせる組み合わせ方があります。

標準的な組み合わせ

写真:家族の表情と特定のシーンを残す(手持ちで気軽に)
動画:家を一周する10〜20分の動画を撮る(声と動きを記録)
VR:解体や売却前のラストチャンスで空間を丸ごと残す(家がそこにあるうちに)

この3層で残すと、後から「写真は表情を見る用、動画は声を聞く用、VRは空間を歩く用」と用途別に使い分けられます。

予算別の選び方

予算ゼロ〜数千円:写真と動画をスマホで丁寧に撮る。これだけでも、何もしないよりはるかに価値が残ります。
予算数万円:写真と動画に加えて、VR撮影をプロに依頼。最も後悔が少なくなる組み合わせです。
予算数十万円:プロカメラマンに写真撮影、動画も別途プロ依頼、VRも複数日に分けて高解像度で撮影。最高品質の記録が残ります。

家族構成別の選び方

子どもや孫が多い家庭は、後から見返す人数が多いので、VR記録の価値が特に高くなります。一人っ子や少人数の家庭は、写真と動画でも十分なケースが多いです。親が高齢で施設に入る前後の家じまいは、家がそこにあるうちに記録できる時間が短いので、VRの優先度が上がります。

「いつ」記録するか――タイミングの目安

記録するタイミングは、結果を大きく左右します。同じ方法でも、いつ撮るかで残せるものが変わってきます。

解体決定前が理想

「もしかしたら解体する」と話が出始めた段階で記録を始めるのが理想です。家がまだ普通に使われていて、家族が暮らしている状態が、最も豊かな記録になります。慌ただしさもなく、丁寧に撮れる時間があります。

解体直前のラストチャンス

解体日が決まってからでも、まだ間に合います。ただし、家財整理が進んでいる場合、家の中が「片付いた状態」になってしまっていることが多いです。それでも、家がそこにある最後の機会なので、撮らないより圧倒的に価値があります。

「日常感がある」タイミングが最強

最も価値が高いのは、家族が普段通り暮らしている状態の記録です。洗濯物が干してあったり、台所に鍋が出ていたり、本が置きっぱなしだったり、そういう「整えていない日常」のほうが、後で見返したときに記憶を呼び起こす力が圧倒的に強いです。「綺麗にしてから撮ろう」と片付けすぎないことが、意外なポイントになります。

選び方のチェックリスト:5つの質問

どの方法を選ぶか迷ったら、以下の5つの質問に答えてみてください。

1. 何を残したいか?

家族の表情なら写真、声と動きなら動画、家そのものの空間ならVR。残したいものから逆算して選びます。

2. 後から見るのは誰か?

自分だけ・配偶者・親なら、写真や動画で十分なことも多いです。子どもや孫の世代に残したいなら、VRの価値が一気に上がります。

3. 家がいつなくなるか?

解体まで数ヶ月以上あるなら、ゆっくり全部の方法を試せます。数週間しかないなら、優先度の高い方法から選びます。

4. 予算はどのくらいか?

予算ゼロでも写真と動画はできます。VRはプロ依頼が現実的なので、予算次第で組み合わせを決めます。

5. 後悔の許容度は?

「もし後で『あれを撮っておけばよかった』と思ったら、ものすごく後悔する家かどうか」を考えてみてください。後悔が大きそうな家ほど、VRを含めて全方法で残しておく価値があります。

まとめ:選ばないより、知ったうえで選ぶこと

家の思い出を残す方法は、写真・動画・VR空間記録の3つ。それぞれが残せるものが違うので、「どれが正解」というより「何を残したいか」から逆算して選ぶのが正解です。

最も後悔が少ないのは、3つを組み合わせる方法です。予算が限られていても、写真と動画はスマホでできます。VRは家がそこにある最後のチャンスでプロに依頼するのが現実的です。

大切なのは、選ばないより、知ったうえで選ぶこと。「写真は撮った」で済ませて、後から「VRという選択肢があったのか」と気づくのが、最も避けたい状況です。このページで全選択肢を知ったうえで、自分の家族と家にとっての最適解を選んでください。

そして、記録は「家がまだ家として機能している間」に撮るのが鉄則です。家が解体される前、家族が暮らしている状態、洗濯物や台所の鍋が出ている日常感のあるタイミング。それこそが、後から見返して最も思い出として刺さる瞬間です。「整えてから撮ろう」は、もったいない発想です。

このページに辿り着いた方は、すでに「思い出を残したい」という気持ちで情報を集めています。あとは、自分の家と家族にとっての組み合わせを決めて、行動に移すだけです。

ハウストーリーは、株式会社Leolineが運営する、実家じまいや解体前のVR空間記録に関する情報メディアです。「壊す」の前に「残す」という選択肢があることを、一人でも多くの方に届けたくて続けています。

監修:畠山 琢(株式会社Leoline 代表取締役)/制作:ハウストーリー編集部

監修 畠山 琢(はたけやま たく)
株式会社Leoline 代表取締役
解体前の住宅・歴史的建造物・乗り物などの空間記録を全国で手がける。JR北海道、北海道新幹線、日本航空大学校、札幌市路面電車など、「二度と同じ状態では撮れない」空間の記録実績多数。「資産を守り、育て、生かす」をミッションに、家族が「選ばなかった」と納得できるように選択肢そのものを届けることを仕事にしている。
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