解体前のビデオ撮影、撮っておけばよかった場所は?
結論:撮り忘れは「3つの層」に集中しています
解体後に「あれを撮っておけば」と振り返る場所は、不思議とほぼ共通しています。普段意識して見ない場所、当たり前すぎて撮影対象として浮かばない場所、家族とセットで残すべきだった場所――この3層を意識的にカバーするだけで、撮影後の満足度が変わります。
順に紹介します。これから撮る方も、もう撮ってしまった方も、後で追加撮影できるなら参考にしてみてください。
層①:「普段見えない場所」を撮る
1つ目の層は、生活の中で意識していなかった隠れた場所です。撮影者の視線が普段届かないため、撮影時にも忘れがちです。
代表的な撮り忘れ場所
- 押入れ・物置の中──扉を開けて、奥の壁・棚板・天井まで撮影
- 屋根裏・天井裏──家の骨組みが見える唯一の場所。点検口があれば覗いて撮る
- 床下収納の中──キッチンや脱衣所の床下に隠された空間
- 家具の裏──移動できるなら一度動かして壁の傷や記録を撮る
- 玄関収納の天井──下駄箱の上、見上げる位置
これらは家の構造や年月の痕跡が一番濃く残っている場所でもあります。「家が古い証拠」ではなく、「家が生きてきた証」として価値があります。
層②:「日常的すぎる場所」を撮る
2つ目の層は、当たり前すぎて撮影リストに浮かばない場所です。皮肉なことに、後で一番思い出すのはここです。
代表的な撮り忘れ場所
- 玄関と框──家に入る最初の数歩。家族が必ず通った場所
- 台所の作業スペース──流し台の前に立って手元を撮る。母や祖母がいつも立っていた視線
- 食卓の風景──椅子に座って撮る。家族が向かい合っていた景色
- 窓からの外の景色──各部屋の窓から見える庭・道・近隣の家
- 階段・廊下──移動空間。歩く動線そのもの
「動き」も一緒に撮る
日常的な場所は、静止画より動きながら撮る方が記憶を呼び戻しやすい傾向があります。台所に立って手を動かす、廊下を歩く、玄関の引き戸を開け閉めする――そんな日常動作と一緒に撮ると、見返したときに体感が戻ってきます。
層③:「家族とのセット」で撮る
3つ目の層は、家族と家を組み合わせた撮影です。家だけを撮ると「物件記録」になってしまい、家族の物語が抜け落ちます。
代表的な撮り忘れ構図
- 家族が定位置に立っている姿──父がよく座っていたソファ、母の台所での後ろ姿
- 家族の声を入れた動画──「ここでこんなことがあった」と家族が語る声を一緒に録る
- 家族で家に並んだ集合写真──玄関前や庭で家族写真を撮る。解体前の最後の機会になることが多い
- 家族の手元と家の風景──台所で手を動かす祖母の手、新聞を読む父の手
「家と家族」は別々の記録
家だけ撮った映像、家族だけ撮った写真――それぞれ別々に存在していても、後で「家の中の家族」を呼び戻すのは難しいものです。家と家族を1コマに収める記録が、後で最も価値を持つ層になります。
撮り忘れに気づいたら、まだできること
解体までに時間があるなら、3層を意識して追加撮影できます。すでに解体後の場合も、過去の家族写真の中に「家と家族のセット」が映っているものがないか探して、デジタル化してまとめておくと記録として機能します。
このテーマをもっと深く知りたい方は、解体前に撮っておくべき写真と撮り方のコツ(教科書)に、5レイヤー撮影法(外観・俯瞰・動線・細部・家族×家)が詳しく整理されています。
まとめ:「見えない・日常・家族」の3層を意識すれば後悔は減ります
撮り忘れが多いのは、普段見えない場所・日常的すぎる場所・家族とのセットの3層です。この3層を撮影前のチェックリストに加えるだけで、解体後の満足度は大きく変わります。家だけでなく、家と家族の記憶を1つの記録に残してください。
ハウストーリーは、株式会社Leolineが運営する、実家じまいや解体前のVR空間記録に関する情報メディアです。「壊す」の前に「残す」という選択肢があることを、一人でも多くの方に届けたくて続けています。
監修:畠山 琢(株式会社Leoline 代表取締役)/制作:ハウストーリー編集部






